通称名使用に関する要望書・回答

今までにもこのHP上で少しだけ触れているのですが、TOPIAは2018年2月、東京大学で性別違和を理由として学籍簿において通称名を使用するための条件緩和、およびこの制度が存在することの周知を求め、東京大学総長宛てに要望書を提出しました。

そして、去る10月12日、ついに東京大学の正式な回答を入手しました。

以下、TOPIAの要望と大学側の回答、および回答に対する評価を記載します。

また最後に、提出した要望書と回答の全文PDFのリンクを記載しています。

TOPIAの要望項目

私たちは要望書で、以下3点を東京大学に対して求めました。

  1. 性別違和を理由とする学籍簿における通称名使用の必要書類について、精神科医による診断書を1通とすること
  2. 同必要書類において、保護者の同意書を廃止すること
  3. 性別違和を理由として学籍簿における通称名使用が可能である旨を、大学HPや入学時オリエンテーション配布資料への記載を含む、学生が容易に入手可能な方法で公開すること

東京大学で性別違和を理由として学籍簿において通称名を使用するには、従来は、①医師による性別違和の診断書2通、および②保護者の同意書、の両方を提出することが必要でした。要望項目1と2では、この条件の緩和を求めました。

また、東京大学ではそもそも、性別違和を理由として学籍簿において通称名の使用が可能であるという情報が公開されておらず、学生が本制度の存在を知ることができませんでした。要望項目3では、この点についての改善を求めました。

具体的な要望項目に加え、要望書では、それぞれの要望項目に対し、なぜそれらを要望するのかの理由を記載しました。さらに、他大学の通称名使用制度について調査し、東大よりも規制的でない条件で通称名使用を認めている大学を紹介しました。

東京大学の回答(抜粋)

以上の要望に対し、東京大学は10月12日、以下のように文書で回答しました。(主要部分を抜粋)

1. 通称名使用の申請時における必要書類について

①  通称名使用を認めることには慎重を要することから、原則として、2名以上の医師による個別の診断書の提出を要することとするが、申請者が過重な負担を感じる場合は一通の診断書のみでも申請を受け付けることとした。

②  ①と同様な理由から、原則として保護者(又は保証人)の「同意書」についても提出を要することとするが、保護者(又は保証人)から同意を得られない場合も考えられることから、保護者(又は保証人)に通称名使用について説明してあることを条件に申請を受け付けることとした。これに伴い、申請に必要な書類の書式を整えることとした。
ただし、いずれの場合も、学生担当理事は、審査の過程において必要と判断した場合には所定の必要書類の提出を求めることができることとした。

2. 通称名使用に係る学生への周知について
学生相談ネットワーク本部のホームページ等による周知、学生への配布物への明記により、広く周知する予定。

回答への評価

以上の回答を、私たちは以下のように評価します。


医師による診断書2通および保護者の同意書が必要であるという原則を堅持しつつ、例外的な場合には、診断書1通かつ、保護者に通称名使用について説明がなされていることを条件に、通称名使用を認める、という回答である。また、緩和された新たな条件の下で通称名使用を申請しても、学生担当理事が必要と判断した場合には、原則通り、診断書2通および保護者の同意書が求められることになっている。

事実上、緩和された新しい条件がどの程度実際に適用されるかどうかは、完全に運用にゆだねられている。現状、通称名使用の可否については、学生担当理事が招集する審査会が決定することとなっている。しかし、審査会に誰が参加し、どのような基準に則り通称名使用の可否を判断するのかは公開されておらず、制度の利用希望者に不信感を与えうる状況である。審査会の裁量によって、不合理に二通目の診断書や保護者の同意書が求められれば、学生の利益が損なわれかねない。

また、保護者に通称名使用について説明するよう求めることは、同意書へのサインを求めることと同じく、学生の親へのカミングアウトの強要であることに変わりはない。

確かに、TOPIAの要望について一定程度、考慮がされており、部分的に条件が緩和されている。しかし、以上の理由により、通称名使用の条件緩和については、ポジティブに評価することが難しい。通称名使用を必要としているすべての学生が本制度を利用することができるようにするため、継続して改善を求めていきたい。

通称名使用制度の学生への情報公開については、大学HPおよび配布物への明記により、広く周知する、との回答であった。回答のこの部分については歓迎する。しかしながら、HPや配布物のどこにどれくらいの大きさおよび詳細度で記載されるかについては定かではなく、形式的に小さく記載されるのみとなるリスクは払拭されていない。通称名使用制度により大学生活での苦難が軽減された事例は学内外に多数存在し、一定の需要があることは明らかであることから、この制度の重要性が的確に反映された、具体的で十分な広報を強く求めたい。

要望書・回答の全文

以下のリンクより要望書・回答の全文PDFをダウンロードできます。

要望書は、提出した版から学生の個人情報を削除しています。

通称名使用条件の緩和要望書_公開版

通称名使用に関する要望書への回答

 

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【11/24(土),25(日)】駒場祭

こんにちは。ご無沙汰しておりますが、きちんとTOPIAは活動しておりますよ。

今年も駒場祭にて発信活動をします!

【日時】

11/24(土) 12:00~

11/25(日) 12:00~

※金曜日はやりません。

【場所】

7号館2階 721教室

 

今年の活動報告や、ジェンダー研究者の卵たちによる研究紹介、TOPIAメンバーによるおすすめジェンダー関連本の紹介などをします!

いろいろあって駒場祭のパンフレットには企画情報が載っていないかと思いますが、土日は活動しているので、是非来てくださいm(- -)m

お待ちしております!

東京レインボープライド2018

こんにちは。いなほです。

去る5月のGWに行われた東京レインボープライドでは、「東京大学サークル合同」という名前でTOPIAのブースもあったのですが、ご存知でしたでしょうか?

TOPIAのブースでは、今年は大学で性的マイノリティが必要としている支援と、東大での現状についてまとめたものを展示・配布しました。

例えば【学生生活】では、「男女別でない形での健康診断受診が可能であること」「合宿の部屋割りや浴場の使用について、トランスジェンダーの学生に対する配慮がなされていること」「サークル活動で、メンバーが異性愛者であることを前提とした発言など、性的マイノリティへの差別的な言動がないこと」

【制度】では、「性別違和を理由とする学籍の氏名や性別の変更が可能であること」「全学で統一された当事者学生に対する支援体制があること」

【設備】では、「多目的トイレが数多く配備されていること」「性別にかかわらず利用できるロッカールーム、個室を有する更衣室があること」「性自認の性で施設が使用可能になること」

【授業】では、「性別による必要のない区別をしない、性別による区別が求められる場合には、本人の希望する性別で扱うこと」「名簿に性別を記載しない」「学生の希望する性別の呼称で呼ぶこと」

【支援】では、「ジェンダー・セクシュアリティに関する統一的な相談先を設置すること」「大学からの公式の情報提供がなされること」

…といった内容でした。

レインボープライドとしてはやや硬派で地味なブースでしたが、二日間で300人くらいの方に足を運んでいただけました。

ありがとうございました!

TOPIAは来年もブースを出展する予定です。来年はまた新しい企画を考えるつもりでいるので、ぜひよろしくお願いします。

 

トランスジェンダー東大生 シンくんのブログ

最近急に少し暑くなりましたね。

今回は、TOPIAのメンバーで、トランスな東大生のブログを紹介します!

出典:我が人生 あるトランスジェンダー東大生のレポート

http://reference-mylife.hatenablog.com/

 

TOPIAメンバーのシンくんは、ほとんど情報が得られない中で、大学とやり取りを重ねながら東大での性別移行を実現した人で、その経験から得られた知識はできることガイド in 東京大学にもぎゅっと盛り込まれているのですが、

このブログでは、ガイドよりもさらに具体的に、体験談をたくさん書いてくれています。

今まさに大学で性別移行をしたいという人はもちろん、大学でトランスジェンダーが何に困っているのかを知りたい、という人にもとても参考になる記事がいっぱいです。

定期的に更新しているようなので、ぜひ時々見に行ってください。

ちなみに彼のツイッターアカウントはこちら→@sinhuchitpa

第34回ミーティング、新歓説明会(2018年4月)

こんばんは。918です。

2018年4月の始めごろに第34回ミーティングを行いました。残念ながら、自分は参加できなかったので、概要を書きます。

第34回のミーティングでは、新歓説明会の打ち合わせをしました。

新歓説明会で使う書類をどう変えるか、また、性的少数者に関する基本的な知識を知ってもらうための文章の検討をしました。

また、お試しテーマトークの準備をしました。

第34回ミーティングでは、テーマトークをすることができませんでした。

次に、新歓説明会の報告です。

二日間で4人のかたが来てくださりました。

簡単なTOPIAの紹介と、セクシュアルマイノリティに関する基本的な単語の紹介、そして、女らしさと男らしさについてのテーマトークをしました。

テーマトークでは、女装と男装、育児と結婚、さまざまな地域での性のあり方、雑誌における規範などを話しました。

 

東京レインボープライドがそろそろありますね。TOPIAも、準備していますので是非来てください。

918

新歓説明会開催します

こんにちは!東京大学セクシュアルマイノリティ支援サークルのTOPIAです。

TOPIAでは4月、主に新入生を対象に、新歓説明会を開催します!

LGBTって最近よく聞くけど、ちょっと興味があるという方、

ジェンダーやセクシュアリティの問題、性的マイノリティの問題について知りたい、関わりたいという方、

当事者として、アライや支援者として、学内・社会の問題に取り組みたいという方、

どんな方でも歓迎です!

上級生や他大生の参加も歓迎します。

TOPIAへの参加は当事者・非当事者を問いません。

また、説明会後は希望者で食事会を設けます。

【日時】

4/17(火) 19:00~

4/20(金) 19:00~

【場所】

5号館のどこか

18号館2F 院生作業室

5号館入り口でメンバーが案内します。19時に5号館入り口にお越しください。

参加者のプライバシーには最大限配慮します。

説明会や食事会で本名や所属、セクシャリティを明かす必要はありません。

また、説明会には参加できないという方には個別対応を実施します。

topia.ut.topia@gmail.comまでお気軽にお問い合わせください。

TOPIA_shinkan2018

↑クリックしてPDFをダウンロード

東大新聞にTOPIAが載りました

少し前のことになってしまうのですが、2017年10月10日の東大新聞にTOPIAのインタビュー記事が掲載されました!

この記事は、「具体的問題に目を向けて-セクシュアルマイノリティーのこと、本当に分かってる?」と題し、性的マイノリティへの向き合い方や、学内の支援状況について説明。TOPIAのメンバー二人がインタビューに応じ、学内でぶつかる様々な困難や、TOPIAの支援活動について話しました。

記事中から一部を抜粋して紹介します。

日常に関わる切実な問題としては特に、書類上の性別表記やトイレ・更衣室の形式などが挙げられる。過去TOPIAが大学に改善を求めた案件の一つは、初年次必修の授業「身体運動・健康科学実習」で、出席カードに女子だけ性別の欄を切り取る必要があったこと。「性別を切り取る」行為は不必要かつ不可解だとして、本年度からこの制度は廃止された。また、かつては理系必修の実験の班分け名簿において女子だけ赤い印が付けられていたが、教員の協力も得て現在は廃止されたという。

東大には、自らの性別に違和感がある場合学籍上の氏名を変更できる「通称名使用」という制度が存在する。しかし現状では支援体制が不十分で当事者に負担がかかり過ぎるという。

実際に「通称名」を利用したシンさんは「当事者の事情や制度利用の手続きに詳しい職員がいないのは問題」と話す。制度が体系化されておらず、必要書類や情報を集めるのにも一苦労だ。また、各部署に問い合わせるたびに自らのセクシュアリティーを告白する必要があることは当事者にとって、精神的に大きな負担となる。通称名使用の許可を得るための所属学部の教授会開催を、ときには1カ月以上待つ必要があり、時間的負担も大きい。

シンさんの苦労をきっかけとし、当事者が少しでも快適なキャンパスライフを送ることを目的に作られたのが前述の「できることガイド in 東京大学」だ。情報収集や周知の面で学生にできることは限られているため、TOPIAは東大に公式ガイドの作成を呼び掛けている。しかし大学側の反応は芳しくなく「一サークルを特別扱いはできない」という理由で、TOPIA作成のガイドを駒場のアドミニストレーション棟に置くこともかなわない状況だという。

シンさんはセクシュアルマイノリティ―の学生に対し「あなたは決して独りではないし、必ず味方はいる」と話す。マジョリティーの学生に対して918さんは「世の中はマジョリティー仕様の制度や物語で溢れているから、マイノリティーに違和感を覚えてしまうのはある程度仕方ないこと。でも、差別に乗っかることだけはしないでほしい」。

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第33回ミーティング(2018年3月)

こんばんわ。918です。

先日第33回ミーティングを行いました!今回集まったメンバーの中には創設時からのメンバーもいて、懐かしい感じの会でした。途中から参加したメンバー含めて5人で行いました。

はじめに、恒例となったテーマトークをしました。今回のテーマは制服について。今年に入って制服をズボンかスカートか選べる学校についてのニュースなどもあり、性的マイノリティと制服の関係を中心に考えました。LGBTのためといいながら、ほとんどがトランスジェンダーに関する話であるという基本的な話を確認して、制服についてどう変更するべきかの4つの案を整理しました。

1.  制服(ズボン、スカートなど)を選択できるようにする。

2. 制服を統一してスカートを廃止しズボンにする。

3.  制服そのものを廃止する。

4. 特定の人が他の制服を着用をしてよいとする。

また、他の案として男女二元的な制服でなく、より選択肢を増やすことも案として挙げられました。また、ズボンとスカートの非対称性(男性とみなされる人がスカートをはくことのほうがハードルが高い)、性犯罪の問題、学生以外からの苦情、学校のアイデンティティ、軍隊や規律の内面化とのつながり、フェティシズム、男女二元論、服装の強要などについて話しました。

 

次に、新歓について話しました。新歓説明会は4/17㈫、4/20㈮に駒場1キャンパスの5号館で行うことに決定しました。興味がある人は是非来てください。もちろん、個別対応もしますので、興味がある方はお問い合わせからお願いします。説明会はTOPIAの紹介やレインボープライドの案内、ミニテーマトークをします。テーマは「女らしさと男らしさ」です。

 

最後に、TRP、東京レインボープライドについて話しました。2018年は5/5㈯にフェスタ、5/6㈰にパレードをするようです。今回は、できることガイドin東京大学の内容をクイズ方式で展示する予定です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。また読んでください。

918

第32回ミーティング(2018年2月)

こんばんは。918です。

2018年に入って二回目のミーティングを行いました。新メンバーや久しぶりの参加のメンバーを含めて7人で話しました。

今回のミーティングでは、まず新歓(新メンバー募集)について話しました。メンバーの一人が考えてきたポスターの文面案をもとに、修正をしていきました。自分、918自身がまさにそうなのですが、文章がかたくなってしまいがちなので、できるだけやわらかい表現になるように案を出し合いました。

つぎに、東京大学における通称名使用の制度についての要望書です。文面が完成してあとは細かいところの調整と、どのように大学側に働きかけるかの検討をしました。様々なルートから要望書をだすことで、確実に改善するように働きかける計画です。改善点としては、医師の診断書を一通にする(現在は二通必要)、保護者の同意書を不要とする(現在は必要)、通称名使用の制度の情報を学生が簡単に得られるようにする(現在は情報を得るのが難しい)の三点があります。

最後に、テーマトーク(勉強会)をしました。今回のテーマは「結婚について」でした。今回は918がテーマトーク担当だったので少し調べて、結婚制度自体に賛成しない立場からの情報を提供しました。

・同性婚

・トランスにとっての結婚

・三人以上の婚姻

・婚外性交渉

・結婚の特権性

・政治運動と結婚

 

第32回ミーティング(2018/2)の報告でした。また見に来てください。

 

918

第31回ミーティング(2018年1月)

こんにちは!

TOPIAのブログ担当918です。

2018年も始まり、4月からの活動も見据えてのミーティングを行いました。今回は新企画となる勉強会を開催し、参加した6人で様々な意見を出し合いました。

 

まず、新企画の勉強会です。記念すべき第一回の勉強会のテーマは「ミスコンとミスターコンについて」でした。主に話題の中心になったのは大学の学園祭などで行われるミスコンです。様々な大学で女性とされる人が容姿を競い順位をつけられるミスコンが行われています。論点として次のようなものが提起されました。

・性差別(特に女性差別)について

・ルッキズム(容姿に関する差別)について

・ヘテロ規範について

・トランスジェンダーが参加することと参加を拒否されること

・社会における女性とされる人の容姿の扱われ方と他の属性(クイズ、ボディービルなど)との差

・ジェンダー規範の押しつけについて

 

 

次に行ったのが、東京大学に提出する予定の通称名使用に関する要望書についての話し合いです。東京大学では性別違和を理由にした通称名使用の条件がとても厳しいものとなっています。現在は、保護者の同意書や精神科医の診断書2通が必要です。詳しくはできることガイド in 東京大学を見てください。(https://topiaut.wordpress.com/possibilities_guide/

しかし、保護者に同意書を求めることは、性別違和を有する学生にとって生活できなくなる危険性をはらんでいます。また、身体を治療する場合は2人の精神科医の診断が必要になりますが、そうでない場合は個々のケースにより判断すべきとガイドラインには書かれています。

このような厳しい条件を変えてもらうための要望書をTOPIAで作成しており、2月には提出する予定です。

 

 

 

最後に行ったのが、新歓についての話し合いです。

昨年と同じようにビラを配ったり、張ったりすることと、新歓の説明会を行うことが決定されました。新歓の説明会は5月に行う予定です。詳細は後日ブログやツイッターで発表します。興味のある方はぜひ連絡してください。

 

第31回ミーティング(2018/1)の報告でした。また見に来てくださいね!

918